野田家

野田家の奇妙な日常

ヤバイハワイ-人情編-

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僕らはホテルにチェックインすると
とりあえずビーチに向かった。

そこは紛れもなく楽園だった。
みんなテンションが異常に高かったし常に陽気な音楽が流れている。
こんな世界見たことがない!
アロハ!

そんな感じでハワイの町を歩き回っていると

「チィッサイノォオ!」


と甲高い女性の声で呼び止められた。

振り返ると
キラキラと光る謎の手持ちオブジェを両手に持ってドヤ顔をした
ラテン系の女がこちらに近づいてきた。

どうやら「チッサイノ=小さいの」とは家の嫁のことを指していたらしい。
嫁は軽くツボったらしく半笑いでカタコトの接客をされている。
その間も「チッサイノ!チッサイノ!」と言われていた。
(その後も様々なキャッチに会うのだがこの単語は3回ほど使用されていた)

僕は勢いで少し買いそうになったのだが
嫁に「こんなもの日本でも買える。買う必要はありません。」と言われて断念した。(後日ヴィレッジヴァンガードで見かけた)

 

初日は、着いた時間も遅く、
すぐに日が暮れ始めた。
僕は焦った。
「早くこの国に馴染まなければ」と

 

 

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どうだろう?
この馴染み具合。
カレーにとけ込んだ人参のような。
そんないい塩梅だ。

 

この流れで
夜のハワイを楽しむか


と思いきや
僕の中のスモールボーイが顔を出した。
帰り道で見かけた米兵。
タトゥーだらけのサモア人。
よく分からないチップという文化。

僕は嫁を説得した。
「今日はABCマートでお酒と食べ物を買って夜景を見ながらハワイの夜を楽しみませんか?」

 



買ったお酒は瓶の栓抜きが無く飲めなかった。

 


スパムおにぎりはプラスチックのような味だった。

 


夜景はほとんど見えない部屋だった。

 

 

そんなこんなで初日は過ぎ去ったのである。(ふがいない夫ですまない)

 


そして、2日目!
怒濤のアクティビティが始まる!

 

気合いの朝6時起床!
ハワイらしいモノを食うぞ!と気合いを入れたが
朝早すぎてサブウェイしか開いていなかったッ!

サブウェイなんぞ日本でも行ったことない
カウンターには朝に弱そうな不機嫌な黒人女性がいる。

よくわからずカウンターでヘラヘラしていたら
「YASAI!」
と言われたので。

僕は
「YESッ!」

と力強く答えた。

 

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そしたら何か勝手に作り始めたのでそれを食べた。
こんなアバウトなコミュニケーションも時にはいいだろう。
野菜はたっぷり入っていた。


そして、
アクティビティが始まる!
ここからハワイを楽しむ時間の始まりだ!

初めてのアクティビティは
「ワイキキ半周案内」みたいなやつだった。

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案内してくれたのはこの人。
まさかの生粋の日本人。
普通に近所にいそうなおじさん。
そして、8人乗りのワゴンに客は僕ら二人だけ
過疎ったラブワゴンのようだ。

しかし、
僕はこのアクティビティがこのハワイの旅で一番好きだった。
おじさんはぼそぼそとボヤキながらハワイの真実を教えてくれた。

「ハワイに行って雑貨屋ツアーとか行くやつの気が知れない」

「「この木何の木を」見たいってやつが多いがそこら中に生えている」

「ハワイで一番上手いのは日本食だ現地のメシはまずい」

「ハワイの水道水はミネラルウォーター並みに綺麗だから飲んでもいい」

そして、ツアーに関係ない場所にも色々寄ってくれた。

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沢山生えてる「この木なんの木」

 

 

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芸能人の写真がめっちゃ飾ってあったかき氷店(味は普通)

 

 

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おじさん「ここのコーヒーが一番うめぇんだよ」

 

 

そして、一日中おじちゃんと一緒にハワイを回った。
その他にもチップのマナーや治安が悪い地区など
色々教えてもらった!
おじちゃんアリガト!

 

 

夜はマンガのようなステーキを食べた。

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旨くてデカイ肉を食べると人はここまでふぬけた表情になるのだと僕は学んだ。


そしてホテルに戻り
クタクタに充実した疲れの中まどろんでいると

「助けて!」

と嫁が叫んだ。

僕はすぐに声が聞こえた洗面所に走った。

 

 

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なぜそうなったのだろうか?

そこには隙間に指が挟まった嫁がいた。

彼女は当時31歳である。
半泣きの嫁の指に向けて洗剤をかけて指を抜こうと頑張る夫婦。

僕らにハワイは早すぎたのではないだろうか?

そんな不安は的中するハワイは更なる牙をむくことになるのである。

 

 

つづく