ヤバイハワイ
2年前の冬。
僕は結婚した。
ハネムーンは夢の島ハワイ。
しかし僕を待ち受けていたのは思いがけないエッジの効きすぎた出来事の連続だった。
ンババ!
結婚式が無事終わり、僕らは少し空けてハネムーンに向かった。
この時点で一抹の不安をかかえていた。
お願いした旅行代理店の担当が加○鷹にそっくりで「ハワイはさいっこぉっすよぉおお」と五月雨に言われ続けてたことや、
僕も嫁も生粋の日本人でノーイングリッシュであることがこの先
の暗雲を感じさせていたのだ。
しかし一生に一度のハネムーン(たぶん)
なんとかなるさ!上を向いてうぇいうぇい!
もし欧米人に襲われてもローキックで下半身から攻めれば攻略できるって親戚のおじさんも言ってたし。
そう自分に言い聞かせて飛行機に乗り込んだ。
乗り込んだ飛行機はびっくりするくらい狭かった。
いや、僕が大きいかもしれないが
テーブルをおろすと、席に座っているというより
「席に挟まっている」という表現が適切だろう。
この状態で10時間近くフライトが続くのである。
さらに、妙に揺れる飛行機。
途切れ途切れになる向井理の恋愛映画。
となりの中国人が何かに怒っている。
僕のなかで今まで観てきた
様々なパニック映画が走馬灯のように流れていた。
僕の人生のスタッフロールはこんなところで流れるわけにはいかない!
となりで爆睡している嫁を横目に僕は己を震い立たせていたっ!
落ちるなら海に落ちろ!
そして、無事、ハワイに着いた。
ハワイに着くとそこは別世界だった。
「きょうはお祭りでもあっとですかね!」
そんな感じだ。
振り返ると
こんな格好でおじいさんが走ってきた。
この時1月である。
信じられない。気温は28℃くらいあった。
空港の前では、
ホテルまで案内してくれる車が待っていた。
外人さんだったが結構日本語が通じる。
ちょっとホッとした。
そしてホテルに
すると、現地のお世話してくれる人が話しかけてきた。
スーツを着ているがふくらはぎにがっつりタトゥーが入った
RICACOを3で割ったような女性だ。
凄まじい勢いでハネムーンの4日間の説明をしてくる
なぜかこのとき嫁は途中でトイレに行った。
僕は時差ボケもあり、
ふぅんーふぅんーと話半分で聞いていた。
RICACO÷3は話が終わったら「ok」みたな顔をして
何かあったら電話をしてね!といって去って行った。
嫁がトイレから戻ってきて
「どうだったー?」
と聞いてきたので
「何かあったら電話してね!」
って言われたよと返事をした。
この時、話半分で聞いてしまったことが
この先様々な場所で悪夢を引き起こすことになる。
僕はふいに外の空気が吸いたくなった。
荷物を運んでくれた人にチップを払うことを知らなかったため
「くそがっ」みたいな顔をされたからじゃない。
ハワイの風を感じたかったからだ
外に出るとハトがいた。
いや、よく見るとハトではない。
日本で見る彼らより胸がスッとしているし小走りだ。
「これはハトじゃねぇ!」
僕は嫁のところへ戻った。
つづく